「なぜ父は殺されたのか 少年ジャーナリストが見たケニアの現実」
少年・サイモンさんの父は、
自然保護区で観光客を案内しているとき、
銃で撃たれて亡くなった。
「なぜ父は殺されたのか。本当のことが知りたい」
サイモンさんは、
色々な人たちの話を聞いてまわった。
そうするうちに、
「土地」「国」「遊牧民」「白人」
「自然環境」「保護区」「歴史」「文化」など、
色んなものがみえてきた。
学校でできた親友ハロン。
彼は「遊牧民」。
サイモンさんは、ハロンさんの家に遊びに行った。
「遊牧」とは、どんなことをするのか。
自然に左右され、厳しい生活であることなども知った。
そして、サイモンさんは聞いた。
「君たちは、自然保護区に入ったことがあるの?」と。
父を殺したのは「遊牧民」かもしれない。
一体どんな理由があったのか。
どうしたら「殺す」までになってしまうのか。
色々と話を聞いていき、ついに、
父が殺されときに一緒にいた観光客から
話を聞くことができた。
そこには、なにか「物語」があるわけではなかった。
ただ、そういう状況だったから撃たれた、ということを知った。
僕は、自分の家族の苦しみだけに囚われていましたが、
今は、たくさんの人が困難な状況に直面しているんだと気づきました。
父を殺した犯人は、永遠にわからないかもしれませんが、
この取材を通して理解が深まりました。
遊牧民が、家畜や自分の家族を養えないでいること、
村人たちが銃撃されていること、
自然保護区で働いている人たちが身の危険を感じていること。
すでに多くの人が命を奪われました。
僕たちが行動を起こし、状況を変えなければ、
もっと多くの命が失われます。
もっとも辛い出来事から、もっとも大きな教訓が得られると信じています。
そして、よりよい未来を思い描けるようになる。
父が死んでからの僕がそうでした。
これからは、僕が、平和を広めます。
父の意思を受け継ぐために。
サイモンさんはハロンさんと一緒に、高校のジャーナリズム部に入ったそうです。
彼らが「ジャーナリスト」として、
大きく羽ばたくことを、
わたしはのぞみます。