ケヴィン・ダットン 著
小林 由香利 訳
サイコパスってなんだろう? の仮説を
感じたことを表現するための「ものさし」が、
一般的な範囲からズレている人のこと。
としたのだけど、
ソシオパスのパトリックさんみたいな伝記ではなかったので、
よくわからなかった。
てか、おもいだした。
小学生のとき。
5月、かな……稲の苗を育ててるビニールハウスがあって。
窓を開閉するみたいに、開けたり閉めたりする部分があって。
そこに、なにかいたずらをしたんだった。
そしたら、それをみていた祖父が顔を真っ赤にして
「こらっ!!」って、どなった。
おこった祖父は、わたしにむかって、こぶしをふりあげながらちかづいてきて。
わたしは「きゃー」っていって、わらいながらはしってにげた。
祖父だけが、「わたし」がやったことをみて、
祖父だけが、「わたし」にむかって声をぶつけてきた。
10年ほどたって、祖父は認知症になった。
当時は「ボケた」とか「痴呆症」って言ってた。
祖父は、わたしのことだけはわかるようだった。
祖父は、いつも、おなじ歌をうたってた。
なんの歌かは知らないけど。
わたしが、ずっとずっとめざしていた「ひかり」って、
「祖父」だったんだな、と。
祖父は死んだのに、わたしが「しばりつける」したままで、
「しぬ」できていなかったみたい。
おじいちゃん、ごめんなさい。
祖父のおかげで、「クロ」に「ひかり」をあてられたから、
「いろ」がでてきた。
おじいちゃんのおかげ、ありがとう。
空が あおくて
風が さあぁとふいて
土から むわんとした においがのぼり
ビニールハウスが ぼんやりひかる
祖父の こえ
おおきな こえ
祖父の うた
おとが あがったり さがったり
とんで はねて
くる くるり
ぽわんと ふくらみ
とけてった